遺産相続はいつまでにしないといけない?手続きの流れと期限をご紹介!
皆さんは、遺産相続に期限があることをご存知でしょうか。
身近な人が亡くなり気持ちが沈んだ時に、いつまでに何をすべきか把握できていれば、円滑に手続きを進められます。
また、気づかないうちに期限切れになることもないでしょう。
そこで今回は、相続遺産の手続きの流れと期限について解説します。
□遺産相続の手続きの流れと期限について解説します!
遺産相続に関する手続きの中には、期限が定められているものがあります。
ここでは、遺産相続の手続きの流れを解説します。
また、その中でも期限の定めがあるものに関しては、期限も明記します。
1番目に、遺言書の確認・検認です。
遺言書の有無で、遺産分割の流れが変わってきます。
いつまでに遺言書を見つけなければならないという決まりはありません。
しかし、遺産分割協議後に遺言書が見つかると、決定事項が遺言によってひっくり返る恐れがあります。
そうなると、遺産相続協議そのものが無駄になってしまいます。
それゆえ、葬儀が終了し、落ち着いたら早急に遺言書を探すことをおすすめします。
2番目に、相続人の調査です。
遺言がない場合は、法定相続人が相続権を持ちます。
よって、誰が相続人なのかを確定する必要があります。
相続人の調査はいつまでに終わらせなければならないという決まりはありません。
しかし、相続放棄の申述の手続きの期限が3ヶ月以内なので、間に合うように逆算して調査に取り掛かることが大切です。
3番目に、相続財産の調査です。
相続放棄の決定や遺産分割の実施には、相続財産の内容が確定される必要があります。
相続遺産の調査についても、期限は特段ありません。
4番目に、相続放棄・限定承認の検討です。
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切承継しない選択をすることを指します。
相続放棄の申述手続き期限の3ヶ月に間に合うように調査を進めましょう。
5番目に、準確定申告です。
亡くなった年の確定申告は、被相続人自身ではできません。
それゆえ、相続人が代わりに行う必要があります。
この亡くなった方の代わりに実施する確定申告のことを準確定申告と言い、4ヶ月以内に行う必要があります。
6番目に、遺留分侵害額請求です。
相続財産の最低限の取り分のことを遺留分と言います。
法定相続人であっても遺贈や贈与で、遺産の大半を相続できない場合があります。
そのような状況を防ぎ、一定の取り分を認め、多く財産をもらった人から遺留分に達するまで財産を分けてもらう制度があります。
その請求を遺留分侵害額請求と言います。
7番目に、具体的相続分の確定です。
遺産分割協議の前に、誰がどれだけの相続分を持つか具体的に確定させておく必要があります。
8番目に遺産分割協議・遺産分割協議書の作成です。
包括受遺者間や共同相続人で誰がどの遺産をどれだけ取得するかを決めるための協議を遺産分割協議と言います。
遺産分割協議を終了させる期限はありませんが、相続税の申告前(10ヶ月以内が期限)に遺産分割協議を完了させた方が楽でしょう。
9番目に、遺産相続です。
実際に、遺産を相続します。
主な遺産としては、不動産や預貯金、株式などが該当します。
また、借金などの負の財産も含まれます。
10番目に、相続税申告です。
相続税の申告、納付は被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に済ませる必要があります。
もし、この申告期限までに相続人間で遺産分割がまとまらなくても、申告しなければなりません。
以上が、一連の遺産相続の流れになります。
実際にご自身がする時に備えて、把握しておくことが大切でしょう。
□相続の手続きが期限内に終わらない場合はどうなる?
相続手続きが期限内に完了しなかった場合には様々なデメリットが生じます。
ここでは、生じるデメリットを2つ解説します。
*相続税の延滞税がかかる
相続税を期限までに納付できないと、納期限の翌日以降から完納する日までの延滞税を支払う必要があります。
なお、延滞税の利率は納期限の翌日から2ヶ月を境に変わり、年によっても利率は変わります。
*税金の軽減制度が利用できなくなる
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告・納付ができなければ、以下に示す軽減制度が利用できなくなります。
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
・農地等の納税猶予の特例
・相続税の物納
・非上場株式等の贈与税の納税猶予及び免除の特例
以上になります。
□遺産分割はいつまでにどうすれば良いのか?
相続人はいつでも協議によって遺産分割ができます。
ただし、被相続人が遺言で最長5年間、遺産分割を禁止した場合を除きます。
法律上は遺産分割をいつまでにしなければならないといった期限は特段ないです。
しかし、遺産分割協議をせずに長時間放置してしまうと、当初の相続人が亡くなってしまうことになりかねないので注意しましょう。
□まとめ
今回は、相続遺産の手続きの流れと期限について解説しました。
相続遺産の手続きは流れや期限を確実に把握して、円滑に進めると良いです。
また、デメリットが生じることも知っておきましょう。
この記事を参考にしていただけたら幸いです。
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※こちらは2021年10月21日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。