土地は生前贈与と相続どちらが良いの?比較して解説します!
土地の相続を考えるうえで、「生前贈与のほうが良いのではないだろうか」、「そもそも生前贈与とはどのような仕組みなのだろう」という疑問も出てくるでしょう。
そこで今回は、土地の生前贈与と相続を比較して紹介します。
□生前贈与と相続の違いとは
そもそも生前贈与とは、名前の通り被相続人が生きているときに財産を人に贈与することです。
通常は、相続は被相続人がなくなることで発生しますが、生前贈与では、財産を生きている間に誰にでも渡せます。
生前贈与をする場合、一般的には「暦年贈与」という方法で行います。
暦年贈与とは、贈与の金額を1年単位で区切って考える方法で、年間110万円までは基礎控除の範囲内となるため贈与税が課せられません。
生前贈与の特徴は下で詳しく解説します。
では、生前贈与と相続はどのようなことが異なるのでしょうか。
基本的には、被相続人が生きているか、亡くなっているかの違いです。
これらの違いは、税率にも関係があり、相続税よりも贈与税のほうが高い税率が設定されています。
例えば、課税額が1000万円とします。
このとき、相続税は10パーセント、贈与税は40パーセントとなります。
相続する財産がある程度わかっている場合は、両者を視野に入れて検討してみましょう。
□基本的には相続のほうがお得である
両者を視野に入れて検討するにせよ、大まかにどちらがお得であるのかは知りたいでしょう。
結論から申し上げますと、基本的に相続税のほうが得です。
相続税の対象となる場合、非課税額を使って生前贈与をして財産を減らすべきと聞いたことがある方もいるでしょう。
しかし、先ほど述べた通り、原則贈与税のほうが相続税より税率は高くなります。
相続人が2人で、1000万円ずつ相続するとします。
この時、3000万円+600万円×2人(法定相続人)の基礎控除になるので、相続税はかかりません。
生前にそれぞれ1000万円ずつ贈与されると、1人あたり231万円ほどの贈与税がかかります。
ただし、これは原則であり、何事にも例外はあります。
何が何でも相続のほうが得というわけではありません。
先ほど出た基礎控除は、超えてしまえば最低でも税率10パーセントが課せられます。
特例を利用すると課税対象ではありませんが、超えた場合は、相続税はかかってきます。
そのため、贈与税を支払ったほうが良いこともあります。
また、価値の高い不動産や投資信託等は、贈与した場合よりも何倍もの価値になり得ますので、相続して価値が上がった時より、贈与税を払って先にもらったほうが得になるでしょう。
贈与税は、贈与の時の評価で決まります。
そのため、贈与の後に何倍に資産価値が上がったとしても、贈与を受けているので、その価値に課税されることはありません。
□生前贈与の特徴とは
ここではもう少し詳しく生前贈与について解説したいとも思います。
上で、生前贈与は「110万円までは非課税」、「誰にでも贈与できる」と述べました。
これらについて見ていきます。
まず、110万円まで非課税ということです。
これは、生前贈与が、暦年贈与を利用できることに起因します。
生前贈与では、暦年贈与という贈与方法が選択でき、たいていはこの方法で贈与が行われます。
暦年贈与は、1年の贈与のうち、110万円までは贈与税を控除できます。
そのため、非課税で財産の譲渡が可能です。
しかし、不動産のような実際にものがある場合、控除分だけ贈与するのは少し難しいでしょう。
1000万円の不動産を110万円分だけ贈与するのは、あまり現実的ではありません。
不動産の評価額によっては、多額の贈与税がかかることも否めません。
暦年贈与を行う場合は、不動産を先に売却し、現金化するのが良いでしょう。
現金だと、分割もしやすく、110万円の控除分だけ贈与できます。
不動産の場合、実際に売却した金額と相続評価額に差が生れることもあるでしょう。
実際の売却価格より相続評価額が低く設定されている場合は、不動産のまま相続するのが得策と言えるでしょう。
次に、誰にでも贈与できることです。
生前贈与は、贈与したい人に資産を渡せます。
相続とは異なり、被相続人の意思が優先できます。
相続でも、遺言などで意思表示はできますが、他の相続人が遺言の内容に異議を申し立てた場合、遺言通りの財産分与が行われるとは限りません。
生前贈与でしたら、このようなことを防げます。
また、生前贈与の場合、相続時精算課税制度を利用するのも手です。
これは、60歳以上の祖父母または父母から20歳以上の子・孫への財産の移転につき、生前贈与と相続を通算して課税する制度です。
この制度を選択すると、贈与される財産額から2500万円までを控除し、超過額に20パーセントの贈与課税がされます。
しかし、一度相続時精算課税を選択すると、暦年贈与は選択できません。
□まとめ
今回は、土地の生前贈与と相続を比較して紹介しました。
どちらも一長一短なので、どの方法が最適なのか検討してみましょう。
土地の生前贈与や相続に関して、ご不明な点等ございましたら、ぜひ当社にご相談ください。
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※こちらは2021年11月9日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。