相続した土地はすぐに売却すべきなのか?理由や仕組みを解説します!
相続した土地の売却を考えるうえで、「相続した土地はすぐに売却すべきなのだろうか」、「どのような手順で土地を売却するのだろう」、「相続した土地は早く売ったほうが良いと聞いたが本当なのか」など疑問は様々でしょう。
そこで今回は、相続した土地の売却について紹介します。
□相続した土地の売却の手順とは
相続した土地の場合、通常の自宅の売却とは異なります。
相続した土地の売却の流れを紹介します。
1つ目に、遺産分割協議です。
相続人が確定していない場合、どのように遺産を分割するのか決めます。
これが遺産分割協議です。
不動産での遺産の分配は、遺産分配が公平になるように調整し、1人が取得する場合と不動産を売却し現金化して分配する2種類があります。
2つ目に、相続登記です。
相続された土地は名義人が故人のままなので、相続後の不動産の名義を変更します。
遺産分割協議の段階で、誰の名義にするか決め、名義変更しましょう。
相続登記は、法務省に所有権移転の登記申請書を提出して行います。
3つ目に、不動産会社への査定依頼です。
不動産会社に査定依頼して、売り出し価格の参考にします。
この査定価格は絶対にこの価格で売れるというものではないので、注意しましょう。
4つ目に売り出し開始です。
不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。
媒介契約とは、不動産会社に売却の仲介を依頼するために結ぶ契約で、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類が存在します。
5つ目に、売却金額を分配します。
売却金額を相続人で分配します。
遺産分割協議で決められた通りに分配しましょう。
土地売却の際には税金が発生するので、これも全員が公平に支払うようにしましょう。
□相続した土地は早めに売るべきなのか
相続した土地は早めに売るべきだ、というのは聞いたことがあるでしょう。
では、なぜそのように言われるのでしょうか。
その理由を解説します。
1つ目は、保有コストや相続トラブルです。
保有コストとして、まずは固定資産税や都市計画税が挙げられます。
土地などの不動産を持っていると、持っているだけで固定資産税がかかります。
固定資産税は、毎年不動産の所有者に課されるもので、納税額は「固定資産税評価額×1.4パーセント」で求められます。
固定資産税だけでなく、所有している不動産が市街化区域内にあれば都市計画税も課されます。
また、不動産を維持するためのコストもかかります。
土地は、放置すればもちろん雑草も生えますし、ごみなどが捨てられてしまうこともあります。
そのため、定期的な掃除やメンテナンスが必要になります。
自宅から近い場合はまだ良いですが、遠方の場合は業者に依頼する必要もあります。
この場合、お金がかかるのは必然です。
さらに、相続トラブルが発生する場合もあります。
土地は、現金のように平等に分配するのが難しいです。
そのため、早めに売却し、現金で分割するのが良いでしょう。
2つ目は、売却時の節税です。
土地を売却すると、売却利益に対し、譲与所得税がかかります。
納税額は、「課税譲与所得(売却額-取得費-譲渡費用-特別控除)×税率」で求められます。
取得費とは、売却した不動産を購入したときに要した費用で、譲渡費用とは売却するときに要した費用です。
上記の特別控除とは、相続した土地の上に建物が建っている場合に「相続した人がその建物に住んでいる」、「その建物が昭和56年以前に建てられた建物である」など一定の条件を満たすと受けられるものです。
また、相続した土地を3年10カ月以内に売却すると、所得費加算特例が適用できます。
これは、相続した財産を売却した際、その財産を相続したときに支払った相続税を譲渡所得税計算時の取得費に加えられるものです。
これについては次で詳しく解説します。
□相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは
この特例では、3年10ヶ月以内に売却すれば、売却した不動産に対する相続税を取得費に加算できます。
「譲渡所得=売却額-取得費-譲渡費用-特別控除」ですが、この特例を使うと、「譲与所得=売却額-(取得費+売却した土地に対する相続税額)-譲渡費用-特別控除」となるので、譲与所得を減らせます。
こうなると、納税額は、「課税譲与所得(売却額-取得費-譲渡費用-特別控除)×税率」なので、納税額が減るという仕組みです。
この特例を受けるための条件は、「相続や遺贈により財産を取得した者であること」、「その財産を取得した人に相続税が課税されていること」、「その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること」です。
□まとめ
今回は、相続した土地の売却について紹介しました。
何か理由がない限り、早めの売却が吉でしょう。
相続した土地についてご不明な点等ございましたら、ぜひ当社にご相談ください。
今回紹介した以外にも、金沢市内の物件を多く取り扱っております。
ぜひ金沢エリアの物件をご覧ください。
※こちらは2021年11月9日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。