相続税と譲渡税の違いは?まずは相続・贈与・譲渡の違いを確認しよう
相続税と譲渡税の違いについて理解するためには、まずは相続・贈与・譲渡の3つの違いを理解しておく必要があります。
特に、譲渡については本当の意味合いを誤解されている方が多くいらっしゃるので、正しい知識を身につけましょう。
今回は、相続・贈与・譲渡の違いや、かかる税金について解説します。
□相続・贈与・譲渡の3つの違いは?
不動産を無償で引き渡せるのは、相続と贈与の2つです。
譲渡は譲り渡すと書くので、無償で与える又は与えられるものだと思っていらっしゃる方が多いですが、実際は金銭との交換による有償の引き渡しになります。
無論どの場合においても税金がかかるので、相続と贈与は厳密には無償ではありませんが、譲渡による引き渡しには金銭が関わる売買取引が行われることを覚えておいてください。
よって、言葉としては似たような表現である譲渡と贈与の間には、売買取引があるか否かという点で決定的な違いがあることがお分かりいただけたと思います。
課税対象も、譲渡では譲渡側、贈与では贈与された側といったように、送り手と受け手でそれぞれ異なります。
税については次の章にて詳しく取り上げますので、ぜひそちらを参考にしてください。
それでは、無償で引き渡せる相続と贈与の間にはどのような違いがあるのでしょうか。
相続はあくまで被相続人の死後に相続人へ財産が引き継がれること、一方で贈与は本人の意志で財産を引き渡すことです。
引き渡しのタイミングが違いますよね。
生前贈与という言葉もありますが、こちらは被相続人が生きている間に相続人へ財産を引き渡すことであり、相続ではありません。
これまでをまとめると、譲渡は金銭的な取引が行われ、贈与と相続は無償で引き渡しが行われますが、贈与と相続の間には引き渡しのタイミングが異なるという違いがあります。
□かかる税金の種類まとめ
相続・贈与・譲渡の3つの違いをご理解いただけたところで、本題に入りましょう。
それぞれにかかる税金について解説していきます。
*相続にかかる税金
不動産の相続を受けた相続人は、全ての相続財産額に応じた相続税を支払わなければなりません。
相続税は、課税対象になる相続財産額(課税遺産総額)に、額に応じた税率を乗じて計算します。
課税遺産総額は、課税価格の合計額から基礎控除3,000万円を差し引き、そこに法定相続人分の600万円を乗じた数を加えることで計算してください。
課税遺産総額に応じた税率は10%から55%まで幅広いので、課税遺産総額が求まったら確認してみましょう。
*贈与にかかる税金
不動産の贈与を受けた人は、贈与税、登録免許税、不動産取得税、印紙税を支払う必要があります。
贈与税は、その1年に受けた贈与額から基礎控除110万円を差し引き、その額に応じた税率を乗じて計算します。
贈与税は他の税よりも負担が大きいため、特例を利用するなどして税負担を軽減するなどの工夫が必要です。
*譲渡にかかる税金
不動産を譲渡(売却)して利益が生じた場合、売主は譲渡益に応じた所得税と住民税を支払わなければなりません。
譲渡にかかる所得税と住民税を総称して、譲渡税といいます。
譲渡税は、売却額から取得費(不動産を購入した時の代金や費用)や譲渡費用(売却のためにかかった仲介手数料などの費用)を差し引き、さらにそこへ所有期間に応じた税率を乗じて算出します。
所有期間が、譲渡した年の1月1日時点で5年を超える場合、所得税は15%、住民税は5%かかります。
5年以下の場合は、所得税が30%、住民税が9%です。
□譲渡・贈与で注意しておきたいこと
譲渡と贈与では、注意しておきたいことが3点あります。
1つ目は、契約書を作成することです。
特に親族間での取引の場合、契約書を作成せずに譲渡や贈与をしてしまう方がいらっしゃいます。
しかしそれでは証拠が残らず、後のトラブルの原因となるので、契約書は必ず作成した方が賢明です。
2つ目は、早めに登記をすることです。
譲渡と贈与では、所有権の移転が行われます。
その際には、名義変更の登記を早めにしておきましょう。
名義変更をしなくてもペナルティはありませんが、将来売却する際やいざ登記をするとなった際に逆に面倒なことになってしまいますので、早めにしておくことをおすすめします。
3つ目は、確定申告を忘れずに行うことです。
譲渡では売却によって利益が発生した場合、贈与税ではどのような場合においても、確定申告が必要です。
特例を利用する場合は、その旨を確定申告に記載する必要があるので、特例で納税しなくて良くなったとしても、確定申告を忘れないようにしてください。
申告期限は、翌年度の2月16日から3月15日の間です。
□まとめ
今回は、相続・贈与・譲渡の3つの違いについて解説しました。
譲渡は金銭的な取引が行われ、贈与と相続は無償で引き渡しが行われますが、贈与と相続の間には引き渡しのタイミングが異なるという違いがあります。
税金についてはケースバイケースの部分があるので、迷ったら専門家へ相談しましょう。
今回紹介した以外にも、金沢市内の物件を多く取り扱っております。
ぜひ金沢エリアの物件をご覧ください。
※こちらは2022年9月4日時点での情報です。
内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。