高齢者に賃貸を貸すリスクとは?安心して部屋を貸すためにはどうするべき?

日本の平均寿命は、男性で80歳、女性で87歳。
どんどんと超高齢者社会へと進展していっています。
そんな現状の中、賃貸では高齢者の方をターゲットとすることが増えていくでしょう。
高齢者に賃貸を貸すことに、何かリスクはあるのでしょうか。
貸し手であるオーナーさんにも、借り手である高齢者にも、双方にとって安心な環境を作るためにはどうすれば良いのでしょうか。
今回は、このような疑問にお答えします。

 

□高齢者に賃貸を貸すリスク

 

賃貸を貸すリスクというのは、どのような年代であっても必ずあるものです。
家賃滞納、破損、騒音など、様々なトラブルがあるでしょう。
その中でも、相手が高齢者だからこそ考えられるリスクは3つ挙げられます。

1.病気や死亡
高齢者の病気や死亡のリスクが高いのはいわずもがなですが、特に押さえておきたいのはその中でも孤独死のリスクです。
高齢者が一人暮らしをしている場合、万が一病気になっていたり、死亡していたりしても、気づくのが遅れてしまうことが多くあります。
身内とも疎遠になっていることがあり、八方塞がりになることもあるかもしれません。

また、孤独死の場合は清掃や処理の問題、さらには資産的な価値の問題まで、様々な問題に見舞われます。
このような事態のリスクが高いのは、高齢者特有といえるでしょう。

2.相続
高齢者の入居者が亡くなった場合、相続においても様々な問題が発生します。
例えば賃貸貸借権は相続の対象になるため、家賃の支払いを相続人にお願いする手間が必要です。
貸借権が解除されるまでは、たとえ相続人が住んでいなくとも新しく募集をかけることはできません。

身内と疎遠だった場合には、相続人がわからないという事態も起こるでしょう。
賃貸のオーナーが相続人を探すことは個人情報の関係からできないことが多いので、そうなると手も足も出せません。

3.認知症
認知機能が低下する認知症を患ってしまった場合には、日常生活に様々な支障が起きるでしょう。
家賃滞納や火の不始末、ゴミの溜め込み、近隣住民とのトラブル、奇行など、様々な問題に派生します。
ご本人以外に事情を知っている方がいればサポートしてもらえますが、先述のような身内と疎遠状態の場合にはサポートは望めません。

 

□高齢者に賃貸を貸すメリット

 

とはいえ、高齢者に賃貸を貸すことは悪いことばかりではありません。
実際、高齢者の入居者に悩まされているオーナーは少ないのが現状です。
高齢者だからこそ得られるメリットには以下の4つがあります。

・長い入居期間が望める
・生活上のルールを守れる方が多い
・家賃滞納が少ない
・お部屋を綺麗に扱ってもらえることが多い

高齢者は若い人のように転勤や転職がないため、一度入居すると比較的長い期間住み続けてくれる可能性があります。
また、片付けの習慣がついていたり、物を大事にしたりする方が多く、お部屋を綺麗に扱ってくれる方が多い傾向です。

高齢者のほとんどは年金と貯金での生活になるため、多くのオーナーさんが懸念する家賃滞納が起こることはあまりありません。
心配な場合は、審査の際に家賃支払い用の振り込み口座の残高を確かめると良いでしょう。
近年では高齢者を対象とした滞納保証も普及しているため、そちらを導入するのも1つの方法です。

 

□高齢者に賃貸を貸すためには仕組みづくりを

 

このように、高齢者に賃貸を貸すことにはもちろんリスクが伴いますが、享受できるメリットもたくさんあります。
とはいっても、貸し手であるオーナーさんにも、借り手である高齢者にも、双方にとって安心な環境を作ることが重要です。

例えば、保険や見守りサービスの利用があります。
「家主ダイレクト」という保険は孤独死保険も付帯されており、高齢者の入居者を受け入れる制度としておすすめです。
国が提唱している「住宅セーフティーネット制度」を利用するのも良いですね。

警備会社や自治体と連携すれば、定期的な見回りや連絡で安否確認をお任せすることもできます。
何かあった際の対応について相談することもできるので、繋がりを持っておけば力強いはずです。

記事前半で挙げた認知症のリスクを懸念する場合には、審査の段階で条件を設けるようにしましょう。
例えば、数年単位での定期借家契約にしてあらかじめ期限を設ける方法があります。
または、受け入れの際に保証人だけでなく、必ず連絡がつく身内の方の連絡先を聞いておくのもおすすめです。
いざ問題が起きても、スムーズに第三者へ連絡を取れる仕組みを整えておくことが大切です。

 

□まとめ

 

これから高齢化社会が加速していくのは確実です。
賃貸住宅の入居者を占める高齢者の割合も、それに比例して増えていくでしょう。
賃貸のオーナーさんが今できるのは、高齢者受け入れのリスクを理解し、対策を練ることです。
双方にとって安心な環境を整えるため、今から仕組みづくりを進めていきましょう。
お悩みがある場合は、お気軽に当社にてご相談いただければと思います。

 

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※こちらは2022年11月4日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。

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