不動産の生前贈与の進め方は?節税のポイントについても解説します
財産を継承するという意味合いでは、生前贈与も遺産相続も同様です。
しかし「相続税を節税したい」「贈与する相手を指定したい」という思いから、生前贈与を検討している方が増えてきています。
そのような方に向けて、本記事では不動産の生前贈与の進め方について解説します。
記事後半で取り上げる節税のポイントについても必見です。
□不動産の生前贈与の進め方
不動産の生前贈与は、以下の流れで進めていきます。
1.誰に何をどのような目的で生前贈与をしたいのかを決める
2.贈与税の課税方法を選択する
3.贈与誓約書を作成する
4.贈与する不動産の移行を行う
5.贈与税を申告する
6.不動産取得税を納付する
1つずつ手順の詳細を見ていきましょう。
1.誰に何をどのような目的で生前贈与をしたいのかを決める
まずは、生前贈与の相手と、贈与したい不動産を決めましょう。
目的や用途によっては贈与税の非課税制度が活用できることもあるため、事前に調べておくことをおすすめします。
2.贈与税の課税方法を選択する
贈与税の課税方法には、暦年贈与と相続時精算課税制度の2つがあります。
詳しくは記事の後半にて取り上げますので、そちらをご覧ください。
3.贈与誓約書を作成する
生前贈与を受ける側が贈与を受諾したら、贈与誓約書を作成しましょう。
贈与誓約書はご自身で作っても、専門家に依頼しても構いません。
受ける側が贈与に合意していて、贈与の事実を証明することが大切です。
4.贈与する不動産の移行を行う
贈与の課税方法選択や贈与誓約書の作成ができたら、贈与する不動産を移行します。
不動産の場合は名義変更の手続きが必要となるため、贈与誓約書とは別途で必要書類を集め、贈与者と受贈者が共同で登記申請を行ってください。
なお、金銭を贈与する場合は現金の手渡しではなく、銀行振込で行って贈与の証拠を残しておくことをおすすめします。
5.贈与税を申告する
贈与税の申告は、贈与を受けた受贈者がする必要のある手続きです。
暦年贈与を選択した場合は基礎控除額を超えている時、相続時精算課税制度を選択した場合は2500万円を超えていなくても必ず、管轄の税務署に贈与税の申告書を提出してください。
6.不動産取得税を納付する
不動産取得税は、贈与税が課税されなかったとしても必ずかかる税金です。
不動産取得税は不動産を取得した側、つまり生前贈与を受けた側が支払う必要があります。
不動産の移行手続きが完了して3ヶ月から6ヶ月が経過した頃に、ご自宅に納税通知書と納付書が送付されますので、記載されている期日までに金融機関にて納付手続きを済ませましょう。
□相続税対策の生前贈与でも課税はある!節税のポイントは?
節税を目的に生前贈与を検討している場合、いくつかのポイントを押さえてきましょう。
生前贈与の贈与税の課税方法には、暦年贈与と相続時精算課税制度があります。
暦年贈与は、基礎控除額上限110万円を除いた分に対して課税する制度です。
110万円を超えなければ無課税で生前贈与することが叶いますが、110万円を超えるような大きな不動産を生前贈与する場合にはあまり向きません。
そのような場合に活用できるのが、相続時精算課税制度です。
相続時精算課税制度では、2500万円まで贈与税がかからず、仮に2500万円を超えたとしても少ない税率での課税となるため、大きな不動産を生前贈与する際に助かります。
しかし、一度相続時精算課税制度を使えば、先述の暦年贈与を使うことができなくなるため、慎重に判断しましょう。
また、もう1点注意しておきたいのは、贈与税の負担分が完全になくなるというわけではないということです。
相続時精算課税制度という言葉の通り、非課税になった分の贈与財産は、相続時に相続財産に加算され、その合計額に対して相続税が課税されるということになります。
贈与税の節税にはなっても、相続税の節税にはならないことを忘れないようにしましょう。
相続時精算課税制度については過去に掲載したこちらの記事にも取り上げていますので、気になる方はぜひこちらも併せてご確認ください。
https://www.takayama-f.co.jp/blog/?p=2726
生前贈与を夫婦間で行う場合には、不動産贈与にかかる配偶者控除を受けることが可能です。
一定の条件を満たしている必要はありますが、基礎控除110万円に加え、最高2000万円まで控除が適用されます。
夫婦間で生前贈与をしたい場合には、この制度を利用しても良いでしょう。
課税方法を選択する際は、より節税効果が高い方法を検討することをおすすめします。
制度を上手に活用して、賢く節税できるようにしましょう。
□まとめ
今回は、不動産の生前贈与の進め方や節税のポイントについて解説しました。
不動産の生前贈与で重要なポイントとなるのは、課税方法の選択です。
ご自身が行いたい生前贈与にどの課税方法が最も適しているのか、慎重に判断するようにしましょう。
また、贈与誓約書の作成や税の申告などは必ず忘れないようにしてくださいね。
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※こちらは2022年11月4日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。