相続した不動産売却にかかる税金の種類一覧|税金を抑えるには
不動産を相続しても、相続人同士で平等に遺産を分配したり、特に居住を希望する者がいなかったりする場合には、売却を検討することがあります。
相続した不動産を売却するともちろん税金がかかるため、必ず事前に確認しておきましょう。
しっかりとした知識がなければ、税金面でかなり損してしまうかもしれません。
この記事ではなるべく税金を抑える方法についても取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
□相続した不動産売却にかかる税金の種類
相続した不動産を売却すると、大きく分けて以下の4つの税金がかかります。
・譲渡所得税
・登録免許税
・印紙税
・消費税
それでは、それぞれの税金の種類について確認しましょう。
*1.譲渡所得税
譲渡所得税とは、相続した不動産を売却して利益が出た場合にかかる税金です。
厳密には譲渡所得税という税金があるわけではなく、その内訳は所得税・住民税・復興所得税の3つである点を押さえておきましょう。
相続した不動産を売却しても、利益が出なかった場合は譲渡所得税がかかりません。
譲渡所得税は、その不動産を所有していた期間によって税率が変わります。
相続や贈与によって取得したときは、被相続人や贈与者の取得の時期がそのまま取得した相続人や受贈者に引き継がれます。
したがって、被相続人や贈与者が取得した時から、相続や贈与で取得した相続人や受贈者が譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期譲渡所得か短期譲渡所得かを判断することになりますので、
*2.登録免許税
不動産の所有関係を明確に記すためには、不動産の所有者の名義は登記簿に登記する必要があります。
本来であれば、登録免許税は買主側が負担するので必要ありません。
ただ、まだローンが残っていたり、被相続人が不動産を担保に借入していたりして、売却することで一括返済したという場合は別です。
これらの場合は抵当権抹消登記の手続きが必要なため、登録免許税がかかります。
*3.印紙税
印紙税とは、売買契約書に金額に応じた収入印紙を貼り付けて納付する税金です。
契約書に記載されている金額に応じて税額が変わります。
売買契約書を作成すると同時に納税が完了するため、売却後に改めて何かする必要があるものではありません。
*4.消費税
建物の解体費用や仲介手数料・司法書士への依頼料など、必要に応じて消費税がかかることがあります。
譲渡所得税のように特別に意識する必要はありませんが、相続した不動産を売却した時にかかる税金として把握しておきましょう。
□税金をなるべく安くするには?特例を上手に活用しましょう
相続した不動産の売却では、どうしても大きな金額が動きます。
それに伴い、税金の負担も重くなりがちです。
不動産の売却にかかる税金は、特例を利用することでなるべく安く済ませることが可能となります。
賢く節税するために、ここでは代表的な特例を確認しましょう。
今回紹介するのは、以下の4つの特例です。
・取得費加算の特例
・相続した空き家の3,000万円特別控除
・マイホーム買い替え特例
・マイホームの3,000万円特別控除
1.取得費加算の特例
こちらは、相続してから3年10ケ月以内に不動産を売却した場合、相続税の一部を取得費として加算できる特例です。
取得費は譲渡所得税を算出する際に必要な費用で、取得費が増えると譲渡所得税の負担を減らせるようになります。
2.相続した空き家の3,000万円特別控除
空き家を相続した場合に限りますが、その空き家を売却する場合は譲渡所得税において最大3,000万円の控除を受けられるようになります。
この特例を利用すると、先程の取得費加算の特例とは併用できません。
両方の要件を満たしている場合は、より控除額が大きくなる特例を採用するようにしましょう。
3.マイホーム買い替え特例
マイホーム買い替え特例は、相続した不動産がマイホームである場合に活用できる特例です。
そのマイホームを売却して新たに新居を購入、そして売却するまで、譲渡所得の課税のタイミングを先延ばしにできます。
非課税になるわけではありませんが、何かと出費がかさむ時には嬉しい特例です。
4.マイホームの3,000万円特別控除
こちらも、相続した不動産をマイホームとして活用していた場合に活用できる特例です。
そのマイホームを売却した際に譲渡所得税において最大3,000万円の控除を受けられるようになります。
マイホーム買い替え特例とは違い、売却したタイミングで控除された範囲内の譲渡所得税を支払う必要がありますが、3,000万円の非課税枠は大きいですよね。
ご自身の状況に照らし合わせて、より負担が減る方を選ぶことをおすすめします。
このように、相続した不動産にかかる税金は、特例を上手に活用することでかなり負担を減らすことが叶います。
こちらの記事では詳しく取り上げておりませんが、これらの特例には細かな要件が設定されているため注意してください。
詳しい情報については国税庁のHPにて確認するようにしましょう。
□まとめ
今回は、相続した不動産を売却する際にかかる税金の種類をご紹介しました。
かかる税金の種類は、譲渡所得税・印紙税・登録免許税・消費税の4つです。
特例を利用すれば賢く税負担を減らせるため、事前に必ず確認しておきましょう。
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※こちらは2022年12月7日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。