賃貸の空き部屋が多い時期は?対策方法などもご紹介!
アパートやマンションなどの賃貸経営をする上では、賃料収入が入ってこなくなる「空室リスク」はなんとしても避けたいものです。
しかし、一度契約を結んだ入居者は、入居期間の長さに差はあるものの、いつかは退去することになるため、空室を1つも作らないといったことは現実的に難しいと言えます。
また、賃貸ではどうしても空き部屋が多くなってしまう時期があり、そのことに毎年頭を悩ませるという賃貸オーナーの方もいらっしゃいます。
そこで今回は、賃貸の空き部屋が多くなる時期と対策方法をご紹介します。
空き部屋に効果的な対策を打つためにも、ぜひご覧ください。
□賃貸の空き部屋が多い時期とは?
▼空き部屋が多くなる時期は?
空き部屋が多くなる時期としては、新生活の準備をする時期でもある1〜3月頃が挙げられます。
1〜3月は、進学や就職・転勤が決まり、春からの新生活に向けて準備をするとともに、現在住んでいる賃貸を離れて新しい住居を探し始める時期でもあります。
そのため、世間的に転居が多くなる1~3月は、1年の中で最も退去者が多い、すなわち空き部屋が多くなる時期になるのです。
賃貸物件を退去する際には通常、退去予定日の1〜2ヶ月前までに退去予告を行います。
そのため退去予定日が3月の場合は、1月〜2月に退去予告が行われます。
通常であれば事前に退去予告がなされるため、「3月になって突然退去者が増えて慌てることになる」といった心配はありませんが、いずれにしても3月付近は退去者が増えるため、賃貸オーナーは空室の発生に備えておく必要があります。
▼1〜3月は繁忙期でもある
1〜3月には空室が多くなりますが、このことは、賃貸オーナーや不動産会社にとっては繁忙期になるということにもなります。
1月〜2月頃は退去予告が多くなると述べましたが、退去予告が行われると、賃貸オーナーや不動産会社は入居者募集の準備を始めます。
退去者が増える分、新たな入居者も増えるため、入居希望者の内覧対応や入居の手続きなど、1年の中でも特に忙しい時期となります。
□空室の期間は?
▼平均的な空室期間
株式会社タスが2021年に発表した「賃貸住宅市場レポート」によると、賃貸物件における平均的な空室期間は、以下のようになっています。
・東京都:4.21ヶ月
・神奈川県:5.05ヶ月
・大阪府:5.06ヶ月
・愛知県:5.86ヶ月
・福岡県:5.30ヶ月
ここから、都道府県によって違いはあるものの、主要な都市では概ね5ヶ月程度の空室期間があると考えて良いと言えるでしょう。
▼平均的な入居期間
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が2021年6月に発表した「市場データ(日管協短観)」の2020年度下期データによると、全国の平均的な入居期間は以下の通りです。
・学生:2〜4年が87%、1〜2年が9%
・単身者:2〜4年が66%、4〜6年が24%
・ファミリー:4〜6年が61%、2〜4年が24%
・高齢者(65歳以上):6年以上が63%、4〜6年が23%
・外国人:2〜4年が54%、1〜2年が25%
ここから、入居者の属性によって平均的な入居期間には違いがあることが分かります。
学生は大学に通う期間でもある2〜4年が大半を占めますが、単身者は4〜6年入居する方の割合も高いです。
ファミリーや高齢者は比較的入居期間が長く、特に高齢者は6年以上が最も高い割合となっています。
□空室ができる前にやっておくべきこと
ここまで空室が多くなる時期や空室期間についてお伝えしてきましたが、こうした空室に効果的に対処するためには、空室ができる前に適切な対応をしておくことが重要です。
空室ができる前にやっておくべき対応としては、以下が挙げられます。
▼退去が決まる前に必要な準備をしておく
退去と新たな入居が多くなる3月頃は、退去と入居に伴う手続きや原状回復工事などで、不動産会社やリフォーム会社は忙しくなります。
場合によっては、多忙のため対応が遅れてしまうことも考えられます。
そのため、優先して協力してもらったり、スムーズなやりとりができるように、事前に関係性を築いておくことが大切です。
また、必要な修繕工事などがあれば、事前に発注しておくことも忘れずに行いましょう。
▼早めに退去予定を把握しておく
入居者の退去予定が分かっていれば、入居している間でも居住中物件として新しい入居者を募集できます。
そのため、早くから入居者獲得に向けて動いておくためには、入居者の協力を得て早めに退去情報を得ておくことが重要です。
一般的な契約書では、入居者からの解約通知は1カ月前とされていますが、できれば前年の11~12月に退去予定の有無を確認しておけると安心です。
□閑散期にやっておくべきことは?
3月頃の繁忙期になると、入居者を獲得するために動こうと思っても、オーナー自身や不動産会社、管理会社などの多忙により、対応がスムーズに進まない可能性があります。
そのため、時間的余裕のある閑散期のうちに、準備できることは準備しておくことが望ましいです。
例えば、入居者を獲得しやすくなるように、条件を見直したり、設備の交換やリフォームを行ったりといったことが有効な対策として挙げられます。
繁忙期に入ってからこうした対策を行おうとすると、工事を迅速に行えなかったり、手遅れになったりしてしまう可能性があります。
そのため、閑散期のうちにこれらの準備をしておくことで、万全な状態で入居者募集を始められるようになるでしょう。
□まとめ
今回は、賃貸物件の空き部屋が多くなる時期と空室期間、対策方法についてご紹介しました。
進学や就職、転勤のシーズンでもある1〜3月頃は1年の中でも空室が多くなります。
空室が増えてから慌てて対応することのないよう、今回ご紹介したポイントを押さえて、迅速な対応を心がけましょう。
※こちらは2023年6月7日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。
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