アパート経営は節税になる?その理由や節税効果について解説します

「アパート経営には節税効果がある」
どこかで一度はこんな情報を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

実際、アパート経営をすることには複数の節税効果があります。
しかし、きちんとそれぞれの内容を理解せずにアパート経営に踏み切ってしまうと、「節税の制度が使えなかった」「思ったような節税効果がなかった」などと、後悔してしまう結果になりかねません。
そこで今回は、アパート経営の節税効果について、節税可能な税金ごとにそれぞれご紹介します。
アパート経営での節税をお考えの方は、ぜひご覧ください。

 

□アパート経営でできる節税とは?

 

「アパート経営は節税になる」

このように言われる理由としては、「アパート経営を行うことで税金に関して有利になる制度が複数あるから」といったことが挙げられます。

例えば、所得税については損益通算をすることで節税が可能となり、相続税については課税評価額を現金の場合よりも低くすることが可能となります。
このように、アパート経営では、複数の制度を上手に活用することで大きな節税効果を生み出せるのです。
アパート経営でできる節税としては、主に以下が挙げられます。

 

1.所得税

所得税は所得に対して課税される税金であるため、「アパート経営をすると所得が増えて課税額が大きくなるばかりなのではないか」と思われるかもしれません。
しかし、損益通算という仕組みを活用すれば、アパート経営をしながら所得税を節税することが可能となります。
損益通算とは、簡単に言うと「アパート経営による所得が赤字となった場合に、赤字の部分を他の所得と相殺できる」といった制度です。
すなわち、副業としてアパート経営をしている場合は、本業で得られた所得からアパート経営による赤字部分を差し引いて総所得を減らせるということです。

アパート経営による所得は、家賃収入から必要経費を差し引いたものとなります。
そのため、損益通算で節税効果を最大限に高めるためには、経費をもれなく計上して、赤字部分を大きくすることが大切です。
特にアパート経営を始めた年や大規模な修繕・改装を行った年などは収支的に赤字になる可能性もあるため、そういった場合は大きな節税効果を得られます。

 

2.住民税

住民税は所得税と連動している税金であり、所得税と同様に所得に応じて課税額が決まります。
そのため、所得税の節税を行うことで、住民税の節税も可能となります。
経費をもれなく計上して課税対象となる所得を目減りさせることで、住民税も大きく節税できるため、二重の節税効果を発揮できると言えます。

 

3.相続税

現金を相続する場合、相続する金額そのものが相続税課税金額に加算されます。
しかし、賃貸アパートとして不動産を相続する場合は、資産としての評価額が下がるため、相続税の節税につながります。
不動産は土地と建物が別々に評価されますが、アパートの場合、土地は「借家建付地」としておよそ8割程度、建物はおよそ4割程度の評価額となります。

 

4.贈与税

相続ではなく、生前に財産を贈与する場合、現金で贈与するよりもアパートを建てて贈与したほうが節税になります。
現金を生前贈与する場合は、贈与する金額の全てが課税対象となりますが、アパートを贈与する場合、「暦年課税」あるいは「相続税精算課税」のどちらかの方法で贈与税の課税額を決められます。
いずれの方法にしても、現金で贈与する場合に比べると大きな節税になります。

 

5.固定資産税

土地や建物などの不動産を所有していると毎年固定資産税が課税されます。
土地が住宅やアパートなどの敷地として活用されている場合は、更地の場合に比べて、「住宅用地の特例」によって税額が小さくなります。
アパートの場合は居住用住宅に比べて節税効果が高いため、更地を所有している場合はアパートを建てることで大きな節税効果を得られるでしょう。

 

6.都市計画税

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的とした市町村税(東京23区の場合は都税)で、市街化区域内に土地や建物を所有している人に毎年課される地方税です。
土地や建物の評価額に対して毎年0.3%の税率で課税されますが、固定資産税と同様「住宅用地の特例」を利用でき、最大3分の1まで税額を小さくできます。

 

□節税目的でアパート経営や不動産投資をする際の注意点は?

 

ここまで、アパート経営をすることには多くの節税効果があるとお伝えしてきましたが、こうした節税目的での不動産経営や不動産投資にはメリットがあるばかりではなく、デメリットやリスクも伴います。
例えば、所得税や住民税が軽減されるのは、購入費用の減価償却や、赤字分の損益通算を行った場合であり、支出のマイナス分を前提としている点に注意が必要です。
また、不動産投資としてアパート経営を考えた場合、家賃収入だけではなく、最終的に売却した場合の売却益までを加味して考えることが一般的です。
そのため、アパート経営を始める前に、長期的な視点から収支の見通しを正確に立てておかないと、トータルとして赤字になってしまうリスクも考えられます。

他にも、空室が埋まらず利益が生まれなくなるリスク、経年劣化によって修繕費が嵩(かさ)んでしまうリスクなど、賃貸物件ならではのリスクも考えられます。
節税ばかりに気を取られず、不動産投資として長期的に考えることや、アパート経営をしていく上で生じるリスクにきちんと対策しておくことなどが重要だと言えます。

 

□まとめ

 

今回は、アパート経営の節税効果について解説しました。
アパート経営を行うことで、所得税や相続税、固定資産税など、多くの税金を節税できます。
ただし、無条件で節税できるとは限らないため、「自分のケースでも節税ができるかどうか」「具体的にどのくらいの節税効果が生まれるのか」といったことを事前によく確認しておく必要があります。
また、メリットだけでなく、デメリットやリスクについてもきちんと理解しておくことが大切です。
専門家や不動産会社など、プロの意見を参考にしつつ、慎重にアパート経営を行いましょう。

 

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※こちらは2023年7月6日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。

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