賃貸追い出し違法判決!「追い出し条項」の落とし穴

賃貸物件を所有しているオーナーの方の中には、入居者の家賃滞納に頭を悩ませているかもしれません。
特に近年では、家賃保証会社が賃貸借契約書に盛り込む「追い出し条項」が話題となり、その是非が注目されています。
しかし、2023年11月、最高裁が「追い出し条項」を違法と判断しました。
この判決は、賃貸オーナーがこれまで当たり前のように考えていた家賃滞納対策に大きな影響を与え、今後の賃貸経営を大きく左右する可能性があります。
そこで今回は、この判決の背景、賃貸オーナーが知っておくべき注意点、そして家賃滞納に対する適切な対応方法について解説していきます。

□賃貸追い出し条項違法判決!

家賃保証会社が賃貸借契約書に用いている「追い出し条項」が違法判決を受けました。
一体何が問題だったのでしょうか。

*「追い出し条項」とは?

「追い出し条項」とは、入居者が家賃を滞納した場合、一定の条件を満たせば、家賃保証会社が、入居者の同意を得ずに物件を明け渡しがあったものとみなせるという条項です。
条項の具体的な内容としては、家賃3か月以上滞納した場合賃貸契約は解除できる、または2か月以上の家賃滞納・連絡がとれない・相当期間部屋を利用していない・再び住む意思がないと認められるという条件を全て満たせば明け渡しがあったとみなすことができるという内容です。

つまり、入居者が家賃を滞納し、連絡が取れなくなれば、保証会社は入居者の私物を勝手に処分し、部屋を明け渡させることができるとしていました。

□違法判決の背景:消費者契約法と自力救済禁止

では、なぜ最高裁は「追い出し条項」を違法と判断したのでしょうか。
その背景には、消費者契約法と自力救済禁止の原則という2つの重要な法理が関係しています。

1:消費者契約法:契約の不公平性を解消

消費者契約法は、事業者と消費者の間で、事業者が有利な一方的な契約を結ぶことを防ぎ、消費者の利益を守ることを目的とした法律です。
賃貸借契約も、消費者が事業者である大家や家賃保証会社に対して、不利な立場に置かれる可能性があるため、消費者契約法の適用対象となります。

「追い出し条項」は、入居者にとって非常に不利な条項であり、消費者契約法の精神に反するとして、違法と判断されました。
なぜなら、この条項は、入居者が連絡が取れなくなったという理由だけで、保証会社が一方的に物件を明け渡させることができるとしており、入居者にとって、自分の意思とは関係なく部屋を明け渡さなければならないという不当な負担を強いるものだからです。

2:自力救済禁止の原則:法律手続きによる解決を重視

自力救済禁止の原則とは、自分の権利を侵害された場合に、法律上の手続きを経ずに、自分自身で解決しようとする行為を禁止する原則です。
例えば、賃貸借契約で、入居者が家賃を滞納した場合、大家が部屋の鍵を交換したり、電気やガスを止めたりすることは、自力救済にあたり、法律で禁止されています。

「追い出し条項」も、家賃滞納があった場合、保証会社が法律上の手続きを経ずに、一方的に入居者の私物を処分し、部屋を明け渡させることができるとしています。
これは、自力救済禁止の原則に違反するとして、違法と判断されました。

□家賃滞納に対する適切な対応とは?

では、追い出し条項が使えなくなった今、賃貸オーナーはどのように家賃滞納に対処すべきなのでしょうか。

1:入居者への催告
まずは、入居者に対して家賃の支払いを催告する必要があります。
催告とは、入居者に対して、家賃の支払いを督促する行為です。
催告は、書面で行うことが一般的です。

2:賃貸借契約の解除
入居者が催告に応じず、家賃を滞納し続ける場合は、賃貸借契約を解除することができます。
賃貸借契約の解除は、裁判所を通じて行う必要があります。
裁判所に、賃貸借契約の解除を求める訴訟を起こします。

3:法的措置
賃貸借契約の解除が認められない場合、または賃貸借契約の解除だけでは不十分な場合は、法的措置をとる必要があります。
法的措置には、以下のようなものがあります。

・明け渡し請求
入居者に物件を明け渡させるための訴訟を起こします。

・損害賠償請求
入居者が家賃を滞納したことで発生した損害の賠償を求めます。

□まとめ

今回の「追い出し条項」違法判決は、賃貸オーナーにとって大きな衝撃となるニュースでした。
しかし、この判決は、賃貸オーナーが安易に自力救済に走ることの危険性を改めて認識させるものであり、入居者との信頼関係を築き、適切な対応をとることの重要性を示しています。
今回の判決を踏まえ、賃貸オーナーは、家賃滞納が発生した場合、まず入居者とのコミュニケーションを図り、早期解決を目指すことが求められています。
今回の記事が賃貸経営における家賃滞納への対応の参考になれば幸いです。

※こちらは2024年8月3日時点での情報です。内容が変更になる可能性がございますのでご了承ください。

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